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2009年12月20日記  最新中国株情報 WINTRADE


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親中一色のマカオ返還10周年
官僚汚職に不満と疑念
民主派排除で大規模デモへ
 きょう、旧ポルトガル領だったマカオが中国に返還されて10周年を迎える。中国の胡錦濤国家主席はマカオの新たなトップとなる崔世安行政長官率いる行政区政府閣僚の就任式典に参加し、一国二制度による高度な自治が10年で着実に進んだことを印象付けたいところだ。だが、民主派は市民の官僚汚職への根強い不信やカジノ・バブルへの不満に乗じて当日、民主化要求の大規模デモを予定し、親中化する行政区政府と不満渦巻く市民のギャップが浮き彫りとなっている。(マカオ・深川耕治=09年12月20日記)
2009年12月20日に発足した崔世安行政長官率いるマカオ特別行政区政府の指導部の面々

 1999年12月20日、宗主国ポルトガルから中国に返還されたマカオは、2002年、米国資本などに経営権を開放するカジノ振興を強化し、産業構造が富裕層の中国本土客急増を見越したカジノ一辺倒になり過ぎた。返還前から頻繁に香港とマカオを往来して取材してきた記者(深川)にとって返還後のマカオのカジノ、ホテル、リゾート施設による総合都市開発は外資導入によるカジノ・バブルそのものであり、従来の基幹産業を度外視する異常な経済成長速度に見えた。世田谷区の半分の面積に人口約54万人が住むマカオの都市開発については香港の中国返還前後の変化の比ではない。
「ベネチアン・マカオ」のカジノ場。最近は規制で中国本土客が減り始めている=深川耕治撮影

 マカオでは返還前までの40年間、「マカオのカジノ王」と呼ばれ、現在も入退院を繰り返すスタンレー・ホー氏(88)(マカオ観光娯楽総裁)がカジノ経営権を独占していたが、02年に経営権を対外開放。米ラスベガスや香港資本の企業が進出してラスベガス・サンズ、ウィン・リゾート、ベネチアンなど巨大カジノが続々と開業した。

 「マカオ返還前、行政長官当選確実だった何厚●氏と中国政府の間でカジノ経営権の開放が内諾され、その通りの筋書きになった。マカオの前途は中央政府の手のひらの上にある」と40年以上マカオに暮らす旅行会社社長は話す。

 03年、中国政府はマカオへの個人旅行を条件付きで解禁し、中国本土客が急増。08年のマカオ入境者数は約2300万人(うち5割が中国本土客)で99年の750万人(うち2割が中国本土客)から一変させている。

 域内総生産(GDP)は10年間で約3・6倍に伸び、経済はカジノ関連産業が突出するいびつな形で底上げした。経済成長率は年平均13・3%という驚異的な伸びを維持し、香港の1人当たりのGDPを上回り、06年にはラスベガスのカジノ収益を超えた。
中国人客でごった返す「ベネチアン・マカオ」のカジノ場。最近は規制で中国本土客が減り始めている=深川耕治撮影

 だが、驚異的な経済成長率の陰でカジノや新規開発事業をめぐる幹部の汚職や中国の地方幹部が公金をカジノにつぎ込む事件が次々と問題化。マカオを訪れる中国本土客が全体の半数以上を占めるほど中国依存が加速したことがひずみを増幅した。カジノ以外の産業が低迷し、同じ一国二制度の香港とは違う既存の基幹産業が衰退し、陰の部分が浮き彫りになっている。

 市民の不満の矛先はカジノ関連産業に偏った繁栄と他産業の衰退による貧富の格差。そして政府幹部の巨額汚職だ。06年12月、欧文龍運輸公共事業長官(当時)がマカオで開かれた東アジア大会の会場や世界最大級のカジノを擁する大型施設「ベネチアン・マカオ・リゾート」などの建設をめぐり、業者からの収賄と資金洗浄(マネーロンダリング)容疑で逮捕され、妻や弟夫婦、父などと共に実刑判決を受けた。

 07年12月の返還7周年記念日には参加者7000人の大規模抗議デモが発生し、何行政長官(当時)は新規カジノ建設を許可しないことを宣言したが、いまだに政治不信は収まらない。さらに親中派が圧倒的多数であるマカオ立法会(議会)では今年2月、中国政府に対する反体制活動を合法的に取り締まる国家保安条例をスピード可決。当局が国家反逆罪や国家分裂罪など中国の安全に危害を及ぼす犯罪行為と判断した場合、最高で懲役25年が科せられるようになった。

 マカオの民主派は12月20日、汚職一掃、民主化推進、民政保持を訴える1000人規模のデモを準備。19年の行政長官直接選挙と普通選挙実現を訴えている。マカオ一国二制度研究センターが11月に実施した世論調査によると、65・5%が「汚職を徹底排除してクリーンな政府確立を希望する」と回答しており、汚職や政府幹部の利権問題の払拭が崔世安行政長官の課題となる。

 汚職やカジノ一極集中への批判をかわすため、中国政府はマカオとの新たな経済協力を打ち出している。15日、広東省珠海と香港、マカオの3都市を結ぶ総延長約50キロの海上大橋建設プロジェクトが着工、15〜16年全面開通を目指して動きだした。また、マカオに隣接する珠海市の横琴島の一部をマカオ大学の新キャンパス用地として49年まで40年間、マカオ政府が中国政府に12億パタカ(134億円)を支払って租借することが決定。新キャンパス内ではマカオとほぼ同等の権利が保障されることになっており、一国二制度の逆バージョンが試されることになりそうだ。

●=金へんに華



 




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