中国企画記事 特選

2004年8月8日記

中国人サポーター、「二得点目」めぐり不満噴出
サッカーアジア杯決勝の審判を痛烈批判
反日むき出し、日本人客一時足止め 日章旗焼く行為も
 8月7日夜、北京の工人体育場で行われたサッカーアジア杯決勝(日本対中国戦)の直後、一部の中国人サポーターが試合結果を不満としてペットボトルなどの物を投げつけて気勢を上げ、警備中の武装警察官らと対峙(じ)した。会場周辺では「われわれは抗日遊撃隊」との横断幕を掲げて日章旗や日本チームのユニフォームを燃やすなど、過激な反日行為が繰り返され、警察官らは必死に阻止。この混乱で大半の日本人サポーターは会場内に待機させられ、約二時間後にようやく会場を後にした。

 中国系香港紙「文匯報」(八日付)は北京発で同試合直前に中国人サポーターらが「中国必勝」などの横断幕と共に「日本製品の流入を規制せよ」との反日横断幕や「打倒日本」の血書もあった、と報道。

 試合後も中国人サポーターらが日本人サポーター用の大型バスを取り囲み、反日歌曲を歌ってシュプレヒコールを挙げながらペットボトルなどを投げつけるなどの行為があったとしている。不満が収まらない数百人の中国人サポーターらは試合結果への不満を表すために競技場外から日本チームが宿泊する長城飯店前に移動して集まったが、警備の警察官が未然に衝突を阻止、排除した。

 今回、北京の警察当局が厳戒態勢を敷いたにもかかわらず、一部の中国人サポーターが騒いだ理由は、試合後半で中田浩二選手が二得点目を入れたゴール(写真右=香港有線電視台のテレビ映像から)が無効となるはずのハンドボールだったのではないか、という不満が大きい。

中国チームのハーン監督は試合後、「クエートの審判のレベルには失望した。日本の一点目は日本チームのペナルティボールで二点目は明らかにハンドボール、三点目は孫継海選手が日本の選手に倒されてホイッスルが鳴るべきなのに無視された」と審判の判断に強い不満を述べている。

 とくに日本チームが入れた二得点目については、八日付の香港各紙でも「無効のハンドボール」と疑問視する報道で占められ、中国内のネットフォーラムでは 「日本サッカーチームは今後、日本ハンドボールチームと呼ぼう」、「国際サッカー試合では今後は両手両足が使えるように建議しよう」などの書き込みであふれた。

 審判の誤審を指摘することで中国の敗北を認めたくないとする雰囲気は中国内で根強く残っており、審判の最終判断に従うサッカーのスポーツマンシップにすら疑念を抱く中国内の反日行為は、北京オリンピック開催を控え、難題を残し、主催国としての資質が問われそうだ。(04年8月8日記、深川耕治)