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香港企画記事速報
2006年10月19日記 深川耕治

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終戦時、琉球を占領できた蒋介石
「報怨以徳」が仇に

香港保釣行動委最高幹部らに聞く

A級戦犯分祀なら参拝反対せず

 十月末までの尖閣諸島上陸を策動する香港の「保釣行動委員会」最高幹部である柯華主席と同委員会顧問で香港特別行政区政府中央政策組顧問の劉夢熊氏(京華山一国際有限公司主席顧問)に実情を聞いた。(聞き手・深川耕治=06年10月19日記=写真も=写真は転載禁止)


【柯華(Ke Hua)香港保釣行動委員会主席】
香港生まれ。大学で政治経済学を専攻し、現在、香港企業の取締役。既婚で二女の父。55歳
 ――香港保釣行動委員会は九月二十六日の陳毓祥氏死亡十周年を追悼する意味で九月下旬の尖閣上陸を目指して準備してきたはずだが、この時期の再上陸を断念し、九月二十五日夜の追悼集会だけになったのはなぜか。
 柯華「船の修理が間に合わなかったからだ。ようやく修理が完了し、上陸用の船をメディア関係者にも見学会を催した。天候にもよるが、十月末までの上陸を果たしたい」

 ――八月十五日に尖閣諸島へ上陸するための準備をするために中国本土から中国人二人が深センから香港へ出国しようとして中国税関で拒否され、出国できなかったのは事実か。
 柯華「事実だ。彼らはわれわれ保釣行動委メンバーと共に香港から漁船で釣魚島上陸を目指して出航しようとしたメンバーだった」

 ――保釣行動委の劉夢熊顧問を通して香港政財界人がそれぞれ二十万香港ドル(三百万円)を提供し、史泰祖香港医学会副会長も十万香港ドル(百五十万円)を寄付しているが、財務的にはどう見るか。
 劉夢熊「私自身、保釣行動委の顧問であるだけでなく、香港政府の政策顧問であり、保釣行動委に百万香港ドル(一千五百万円)募金している。私は三千六百万香港ドル(五億四千万円)の不動産価値がある高級マンションに住んでいて、いつも百万香港ドル(一千五百万円)単位の高級車で往来しているような生活をしている。こんな人間がわざわざ小さな島に行って戦争を起こすようなことがあると思えるだろうか。双方の国民が領土問題についても各政府を監督していく責任がある」

 ――西洋人が描いた釣魚島を示した地図はだれが見つけ出したのか。
 劉夢熊「香港大学教授だった香港人男性で現在は退官し、骨董品コレクターとなっている。私が釣魚島について紹介していあるような古い地図がないか丹念に調べてもらうように頼んだ。地図については中国政府にも送り、外交交渉のテーブルで使えるように打診したい。日本政府が領有の証拠として使う史料よりも古い史料なので説得力がある。日本青年社が釣魚島に灯台を建設し、われわれが釣魚島で五星紅旗をたてたところで外交交渉は終わらない」
【劉夢熊(Liu Mengxiong)】香港保釣行動委員会顧問】中国広東省台山出身。父親が反右派闘争で犠牲となり、本人も1973年、文化大革命で広東省東莞長安鎮に下放。同年、密航して香港へ脱出。76年、香港金融業界入り。現在、香港特別行政区政府中央政策組顧問で香港の証券会社・京華山一(国際)有限公司主席顧問。58歳

 ――このようなソフト路線に転換するのは、日本が安倍政権が誕生し、日中首脳会談が早期に行われることがほぼ分かっている時期で、冷え込んでいた日中関係に大きな変化が訪れていることと関係あるか。
 柯華「われわれの行動は結成当時から見ると、多様化してきている。最近になって急に路線転換しているわけでなく、終始一貫して穏健な手法を取っているのだが、世の中の時流、中国国民や香港人の考え方に沿って多様化させており、人間が子供から大人になっていくように成長している」

 ――靖国神社問題についての解決法をどう見るか。
 劉夢熊「A級戦犯の合祀さえ解決できれば問題ない。日本帝国主義の暴走を起こした指導者であるはずの東条英機を含む十四人のA級戦犯を後になって合祀したことが問題であり、これを分祀すれば簡単に解決する問題だ。分祀すれば日本の指導者が靖国神社に参拝することに問題はない」

 ――昨年の反日デモ以降、香港保釣行動委には募金が急増し、政財界からも劉氏を通じて高額のカンパが入ったはずだが、まだ、百五十万香港ドル(二千二百五十万円)分の資金が足りないとしてカンパの協力を呼びかけているが、資金状況はどうか。
 劉夢熊「昨年以降、百八十万香港ドル(二千七百万円)が集まった。私が百万香港ドル(一千五百万円)、政財界関係者二人から合計四十万香港ドル(六百万円)をカンパしている。漁船二隻の修理保持費用、燃料費、船長らに支払う人件費など諸費用合わせて百五十万香港ドルが不足している」

 ――十月末までに不足額が集まらない場合、上陸計画は実行するのか。
 柯華「万一、集まらなかった場合、二隻の漁船のうち一隻を売り払ってでも実行する」

 ――第二次世界大戦後の尖閣諸島問題の処理についてどう見るか。
 柯華「日中戦争は正義の戦争でなかったし、一九七一年に沖縄が日本に返還された際、米国から日本に釣魚島が譲渡された事実をわれわれは座視できない」
 劉夢熊「第二次大戦後、日本は無条件降伏で敗戦国となり、中国は戦勝国の一つとなった。当時、ソ連が北方領土を占拠したまま、日ロ間では北方領土の返還が進んでいない。中華民国政府の蒋介石総統が当時、同じようにスターリン式に日本の一部を奪っていたらどうなっただろうか。歴史的な記載を盾に琉球を中国領にすることも可能だったはずだが、蒋介石が報恩以徳で台湾にいた日本人をそのまま帰国させ、領土問題まで譲ってどちらが戦勝国か敗戦国かわからないような状況に変わってしまった。報恩以徳が日本側から仇討ちのような“報怨以徳”に化してしまった」

 ――尖閣諸島は元来、琉球王国のものであって、台湾や中国領ではないとの考え方もあるが、どのように考えるか。
 柯華「琉球と台湾はまったく別に分けて考える。台湾は明確に中国領の一部だ。当時の琉球は中国と朝貢関係にある属国で中国人の姓を名乗っていた人が九割近くいたと聞いているが、結果的に日本に組み込まれて沖縄県として存在する」

 ――台湾では尖閣諸島は台湾領であって中国領ではないとする与党・民進党の主張もあり、中国政府との温度差もあるが、どういう立場を取るか。
 劉夢熊「国共内戦以来、政党政治はつねに変化するが、領土問題については中国領であることは不変だ。民進党が釣魚島を台湾領と主張していることと中国政府が中国領と主張していることは一致する。台湾は元来、中国領だからだ」

 ――尖閣諸島への航行の際、平和的な非暴力な行為として上陸活動を行うとしているが、過去の航行では海上保安庁との接触で投石したり、日本の国旗を燃やしたりしていたが、暴力的行為ではないのか。
 柯華「投石に関しては、愛国的な行為で個別に行き過ぎがあったことは認める。ただ、日本のヘリが上下に急旋回して戦闘状態にいるような気持ちにかき立てられた。日本側は武器を携帯しているので、武力で阻止するような行為には出ないでほしい。国旗については、日本の国旗ではなく、第二次大戦当時の日本軍旗を燃やした。反米運動で星条旗を燃やしたり、反英運動で英国旗を燃やすのは日常茶飯になっているので、問題と思っていない」

 ――中国各地で起こった昨年の反日デモでは小泉首相の写真を燃やしたり、日本の国旗を燃やすだけでなく、日本食レストランが破壊される暴力行為まで起こった。一国の首相の写真や国旗を燃やす行為をどう考えるか。
 劉夢熊「香港では決して起こらない行為だ。個人的見解だが、中国大陸で過激な行為を行った若者たちは日本に一度も訪れた経験のない者たちばかりではないか。彼らは日本への憤りではなく、中国内の社会制度や現状に不満を持つ者たちがその怒りを露わにしたのだと思う。上海の反日デモで中国政府も破壊活動を行った中国人を逮捕しているが、逮捕された若者たちを日本政府が日本へ招待して訪日経験を持たせれば、日本人が戦争を自ら開始するような国ではないことが理解できるはずだ。それだけでも両国関係は民間レベルで変わっていくと思う」
 柯華「私の場合は、靖国神社に参拝した小泉首相(当時)の肖像画を焼くことを行う。ただ、日本製品のボイコット運動には反対する」

【取材秘話】
 香港保釣行動委員会の最高幹部に取材するにはかなり準備と時間を要した。かれらの真意をどれぐらいくみ取って取材してくれるか、見極めるまでかなり、不安だったようだ。

 香港の反日団体(彼らは反日団体ではないと主張する)は非常に冷静な反日(中国大陸での激しい感情的な反日とは違う)で実際に日本に行って日本をよく研究している人々だ。

 今回の取材は実質四時間ほど、延々と話し合った。柯華氏は京都の寺院が大好きで、あの独特の静寂さが素晴らしいと強調、「アイ・ラブ・ジャパーン!!」と私の前で大声でパフォーマンスしていた(これが政治的パフォーマンスか本当の愛情かは、まだ定かではないが)。同じ香港保釣行動委員会メンバーの曽健成氏にインタビューした時も、曽健成氏の部下である25歳の男性は「実は日本語を最近勉強しているんだ」と恥ずかしそうに話しかけてきた。

 ただ、劉夢熊氏の場合は、自分の身内が戦時中、日本軍から残忍な目にあったことを後で親族から直接語り受けており、はやり、大陸出身者の感情が残るように見えた。劉氏はしばしば鳳凰衛視台(フェニックステレビ)の時事弁論会で登場し、私も時々、見ているが、そういう感はぬぐえない。

 彼らははやり、中国政府と歩調を合わせて行動していかなければ民間団体の活動として規制と圧力がかかり、今後の将来展望に暗雲が立ちこめていることを肌で感じ取っており、中国政府の水面下での協力と黙認なしでは無茶な行動はできないことを話の端々で私に伝えていたのが印象的だった。(深川耕治)

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