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2008年2月15日記 最新中国株情報 WINTRADE


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雪害で危機管理問われる中国
春節移動の混乱、課題多く

民工の帰省断念、停電、断水続出
北京五輪の突発交通対策どこまで


 08年1月中旬以降、中国中南部を襲った50年ぶりの大寒波と豪雪は停電断水、春節(旧正月=今年は2月7日)前の交通網大混乱を引き起こした。胡錦濤政権は人民解放軍を急派させながら胡錦濤総書記を筆頭に政治局常務委の各メンバーが各被災地を慰問視察し、数千万人規模の出稼ぎ労働者(民工)が年に一度の帰省すら断念せざるを得ない前代未聞の状況に陥った。外国人客が大挙して押し寄せる北京五輪を半年後に控え、中国政府の自然災害に対する危機管理能力が問われている。(香港・深川耕治、写真も=08年2月15日記)


広州駅前で春節帰省を待つ出稼ぎ労働者
 1月10日以降、記録的な寒波と豪雪が中国東部、中部、南部の17省市を直撃し、被災人口は八千万人を突破。死者も六十人を超えた。雪害被害で見えてくるのは、突然の自然災害に見舞われた場合、交通網が麻痺して石炭輸送ができないことで火力発電供給がストップし、停電・断水が住民の死活問題に即つながる事態に陥ったことだ。

 東部や南部では過去の降雪量がこれまで比較的少なかったことで雪害対策を厳戒強化しようとする努力が不足していた。情報産業省によると、電気通信網については8万3000の基地局が一時機能しなくなったほか、2万6000キロメートルの通信線が被害を受け、3000万人余の利用者に影響が及んだ。

 国内の空港は豪雪で一時閉鎖されるケースが相次ぎ、上海浦東空港では「帰省しなければならない」と涙ながらに連呼する若い中国女性や共感する待機客らの姿を香港のテレビ局が映像入りで放送。広州駅で長期間待機させられて憤る帰省客と交通整理する武装警官がもみ合いになったり、将棋倒しになって湖北省出身の女性民工一人が死亡する事故も発生した。

 豪雪、寒波による送電線の防寒、防雪対策が到底十分とはいえないレベルであり、停電・断水が幅広い地域で起こったことは「中国政府の危機管理対策の欠如」(香港誌「亜洲週刊」2月10日号)といえる。

 とくに電力問題では発電に必要な石炭が鉄道交通麻痺で非常事態に直面した場合、貯蔵している石炭量が少なすぎる(4100万d未満まで落ち込む)点や民工の春節帰省断念、原油価格高騰による庶民生活の圧力も政府への不満増大を加速させかねない。高速道路の一時封鎖や渋滞で車内に何日も閉じこめられ、肝心のガソリンが補給できず、凍えるしかないドライバーまで続出。北京と珠海を結ぶ京珠高速道路では湖南省エリアだけで四万人が路上で動けなくなり、最長で5日間、車上で過ごした人もいるほどだ。

 2月3日、貴陽、長沙、杭州、武漢、南京、南昌、合肥、鄭州、西安、桂林の十都市周辺で停電による断水が長時間続き、数百万人が電気と水道供給がストップしたままの生活を強いられた。
 温家宝首相は五日、専用機で空路、雪害被害の重災区である貴州省貴陽市入りし、状況を視察。送電線をつなぐ鉄塔や変電所の修復が急ピッチで進められた。同省では一週間停電が続いて生活必需品の価格が急騰したり、ロウソクの値段が通常の百倍に跳ね上がる地区もあるなど、水不足や通信障害で二百万人に影響が出た。

 豪雪で火力発電所用の石炭輸送が阻まれた影響で広東省内の電力供給量は大幅に減少。春節後の電力需要が増大し、今年中の電力供給が保持できるか楽観できない状況が続く。省外から省内に送られる電力量は豪雪被害による石炭供給不足で8000万キロワット分が減少し、同省内の最高電力使用量の14.3%を占めるダメージだ。

中国鉄道省によると、2月12日から春節Uターンラッシュが本格化し、1日当たりの鉄道での移動量は2月11日がのべ約360万人で12日はのべ約500万人。ピーク期は16日までで、春節前のような大混乱はなくなりつつある。

 農業省によると、今回の雪害被害で破壊された樹林や竹林面積は15万5000平方キロで中国森林面積の10分の1に及ぶとの推定。今後、環境問題への影響も懸念されている。

北京の軍事記念館で展示された長江洪水の救済活動で奮闘する人民解放軍の蝋(ろう)人形
 中国南部の主要出稼ぎ場所である広東省では春節(旧正月)連休に豪雪の影響で帰省できなかった出稼ぎ労働者が1300万人超に上り、帰省を断念した民工が省内で旧正月を過ごすために地元政府や企業が投じた支援活動費用は数億元(1元=15円)規模。出稼ぎ労働者のうち約9割が帰省しなかった同省中山市では2月7日、広東省労働保障庁と市政府の共催でイベントを開催、費用は約200万元(3000万円)。深セン(土ヘンに川)市が1000万元(1億5000万円)、広州市が約200万元(3000万円)を旧正月イベントに投じている。被災地だけでなく、出稼ぎ場所の政府や企業の臨時支出は地方財政を圧迫している実情がある。

 旅行業界も大打撃。中国では毎年5月初めの7連休が今年から廃止され、大部分が春節時期の長期旅行を計画していたが、雪害でツアーキャンセルが相次いだ。

 旅行社の大半が春節期間の収益が前年比7割減ほど落ち込み、「雪害で中国旅行業界の直接損失は20億元(300億円)から30億元(450億円)程度。海外からのツアー客が雪害情報を知ってキャンセルするケースがツアーごとに5000前後に上り、打撃は深刻」(国家観光局の王志発副局長)だ。

 春節期間のツアーキャンセル分を北京五輪で取り戻そうとの思惑が高まり、「北京五輪での収益増に業者が躍起になり、かえって混乱を招きかねない」(中国国際旅行社スタッフ)との懸念の声も出ている。

 北京五輪の開幕する8月は、長江の洪水や台風被害が中国各地で起こりうるケースだ。食品衛生管理問題だけでなく、鉄道網など交通網の寸断が石炭輸送による電力供給をストップしないよう新たな危機管理対策が問われそうだ。







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