中国企画記事 特選

2007年10月22日記


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上海閥、太子党と組み温存 中国指導部
江沢民派の巻き返し強く
胡錦涛派、主導権握れず
路線は掌握、中央委で基盤強化


 10月22日、第二期胡錦濤政権がスタートした。中国共産党最高指導部である新政治局常務委メンバー九人の顔ぶれを見ると、香港や台湾で漏れ聞こえてくる中国筋の予想と一致し、意外性はほとんどない。表向きは五年前と同じ九人制を維持し、集団指導体制の形を取っているが、江沢民前総書記(81)に連なる上海閥(上海出身や上海勤務経験者グループ)が温存し、江沢民派の党指導部内での発言力は大きいままだ。

 五年前の常務委は江氏に連なる上海閥が過半数の五人(呉邦国氏、賈慶林氏、曽慶紅氏、黄菊氏、李長春氏)だったが、今回は留任した呉邦国氏、賈慶林氏、李長春氏と新人の賀国強氏、周永康氏の合わせて五人。しかも、江沢民氏が推す習近平氏は太子党(党幹部子弟)で上海閥だけでなく、一世政治家時代からのもっと緩やかな幅広い人脈があり、ポスト胡錦涛を事実上、指名した江氏の意見には逆らえない立場となる。

 江氏が新人事内定の土壇場で胡総書記の人事案を翻し、太子党の若手である習近平氏をポスト胡錦涛の最有力候補に押し上げてがっちりと手を組んだことは、胡錦涛政権の後半五年間でも、江沢民派が過半数を制して権力を保持し、胡錦涛派が主導権を完全掌握するにはなお時間がかかることを意味する。

 現段階では党序列六位となった習近平氏が五年後の総書記最有力候補、序列七位の李克強氏がポスト温家宝の首相候補となっているが、あくまで僅差。今後五年間、集団指導体制の中で二人を競合させ、総合実務実績を見て判断する暗黙の党内力学が働いており、致命的な失策やスキャンダルがあれば入れ替わる“変数”の余地を残す。

 一方で、政治局常務委を選出するための新たな中央委員二百四人は胡総書記の支持母体である共青団(共産主義青年団)系の「革命第五世代」が躍進し、地方政府の要職を握っているだけでなく中央に到るまで人材配備が完了。青共団派の李克強氏と共に「二人の李」と評される李源潮江蘇省党委書記(56)や令計画中央弁公庁主任(51)、汪洋重慶市党委書記(52)らが新たに中央委入りし、ポスト胡錦涛時代の権力中枢に青共団派が配置されることは確実だ。

 さらには、胡総書記が持続可能な安定発展を目指して提唱する指導理念「科学的発展観」を今大会で党規約に盛り込んだことは、故・ケ小平氏や江沢民氏が現職の最高指導者時代にできなかった“偉業”であり、党内路線を掌握して権威は格段に高まり、同理念にそぐわない党幹部の排斥が可能となる。

 党最高指導部は江派が優勢であるものの、その下の中央委員は青共団派が基盤拡大して上海閥が減ったことでポスト胡錦涛世代は確実に胡氏腹心を中心とする青共団派が主導権を握ることになる。今後は党中央軍事委員会で軍を掌握する胡錦涛中央軍事委主席がいつまで同主席を務め、後継にだれを選出していくか、軍内での統率主導権が注目される。(香港・深川耕治=07年10月22日記)

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