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2010年5月2日記 最新中国株情報 WINTRADE


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上海万博で模倣疑惑噴出−中国
コピー天国の汚名返上できず

入場ラッシュ混乱対策は脆弱


 中国初の国際博覧会となる上海万博が1日開幕し、各国のパビリオンが独創性を競い、注目を集めている。開幕前から万博PRソングの盗作問題やマスコット「海宝」、中国館の外観が既存のものと酷似していると指摘され、「コピー天国」の汚名を返上できないままだ。北京五輪以降、万博の主催国として知的財産権の保護問題が改めて浮き彫りになっている。(深川耕治=2010年5月2日記)

万博で盛り上がる上海の夜景=深川耕治撮影
 10月末までの期間、過去最多の7000万人の入場者数が見込まれる万博会場は開幕初日から人でごった返す。

 北京五輪に次ぐ国家的大イベントである上海万博は胡錦濤政権にとって「愛国・愛党」キャンペーンの極みとしたい絶好の求心力強化の場。党と政府の威信をかけ、反政府暴動やテロ、突発的な事故を防止し、断固として成功を死守する構えだ。

 大量の武装警官を配置させ、人海戦術による大規模な警備網を敷くのは北京五輪以来、中国式の警備法。だが、人気パビリオンを目指して人が押し寄せる異様な興奮状態を予約券発券だけで冷静に抑えきれるか、開幕前のテスト営業でも入場時の長蛇の列による混乱が頻発し、ゴミ処理問題や待ち時間の長さに不安が残っている。

上海市内の至る所に置かれる上海万博の公式マスコット「海宝」=深川耕治撮影
 北京五輪と同様、地方からの民工(出稼ぎ農民)やその家族が偽造された万博グッズやマスコット「海宝(ハイバオ)」のニセモノを路上で販売するケースが横行。ダフ屋が会場周辺で入場券を定価の数倍近い値段で販売する姿も多く、万博のテーマである「より良い都市、より良い生活」との乖離(かいり)は否めない。

 中国は北京五輪以降、知的財産権問題について法的整備や管理強化を進めているが、大きな成果はなかなか上がっていない。特に音楽作品など酷似していても裁判で法的に知的財産権の侵害を認める判決は少なく、法的整備は未成熟なままだ。

 今回改めて国際的に注目を集めたのが上海万博PR曲の盗作疑惑。開幕一ヶ月前に発表された上海万博のPRソング「2010年はあなたを待っている」が中国内のネット上で日本のシンガー・ソングライター岡本真夜さんのヒット曲「そのままの君でいて」にそっくりだと指摘され始めた。

米国の人気テレビキャラクター「ガンビー」
 4月中旬にはネット掲示板やブログで岡本真夜さんが1997年に発表した同曲と比較しながら「メロディの9割が同じ」「国の恥」「世界中から中国人の面子が潰された」「わが国の御用芸人は創造力が完全欠如している」との書き込みや動画による比較がなされ、非難囂々(ごうごう)。日本のメディアでも大きく報じられたことで万博事務局は4月17日、曲の暫定的な使用停止を明らかにし、公式サイトからもPR曲の紹介内容は完全削除された。

上海万博の中国館イメージ図
 岡本さん側は4月19日、上海万博実行委員会から楽曲使用申請があり、承諾したことを発表。上海万博実行委が楽曲の盗作疑惑を事実上、認めた形となった。上海万博PRソングが発表された直後、作曲を担当した繆森(ぼくしん)氏は上海紙「東方早報」のインタビューで「今までの曲と違い、仕事場で何度も試行錯誤を繰り返し、インスピレーションが湧いて数日後に楽曲が誕生した」とオリジナル曲であることを強調していた。

 繆森氏は4月22日、本人が「下心のある者が意図的に大衆の評価をミスリードしたが、岡本さん側と協議して盗作論議を排除することで合意した」と疑惑を完全否定する声明を発表。「岡本さんの曲とは全然違う」とあくまで盗作ではないとしているが、岡本さんサイドは直接的な協議など一切なかったことを明らかにしている。

安藤忠雄氏がセルビア万博で設計した日本館
 ネット上では繆森氏が作曲した「竹林風」「百変選択」などのヒット曲にも盗作疑惑が渦巻いている。中国では北京五輪のテーマ曲も国内で2005年にリリースされた「無覚」とメロディがそっくりと指摘され、盗作疑惑はいまだに晴れていない。音楽やキャラクター、建築物などに関する盗作疑惑は万博のような国際イベントの際、中国で悪い意味での名物になるほど深刻だ。

 さらに、米公共放送ラジオのNPR上海支社記者が23日、上海万博事務局の海外メディア向け記者会見で「万博マスコット『海宝』は米国の有名なテレビキャラクター、ガンビーにそっくりではないか」と両方の写真を示しながら質問したことに会場は騒然とした雰囲気に包まれた。

開幕一年前の上海万博会場の建設風景。この時点ではパクリ疑惑はまだ不透明だった=深川耕治撮影
 ガンビーは米国で1950年代に発表されたテレビの人気キャラクター。万博事務局の徐威報道官は「上海万博に関連するものには版権問題があり、版権を有する人が行動すべきだ」と回答。正面から「海宝」がガンビーの版権問題と関わる内容であるかどうかについては明確な回答をしないまま、記者会見が終わっている。

 さらに、主催国パビリオンである中国館の外観デザインが1992年にスペインで開かれたセビリア万博で日本の建築家・安藤忠雄氏が手がけた日本館デザインと酷似しているとの指摘が中国のネット上で広がり、中国館の建築設計者の1人は地元メディアに対して「中国古来の伝統を元に創作した。完全な満点である建築などない」と曖昧な回答に終始したままだ。

 上海万博では日本人客100万人を含む350万人の外国人が入場する見込みで、ロゴやデザイン、音楽、芸術作品に至るまで知的財産権問題に対して厳しい視線が万博期間中、国際的に向けられ続けることになりそうだ。

 




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