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2009年4月6日記 最新中国株情報 WINTRADE


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新コピー文化「山寨」の衝撃 中国
盗作改良品が百花繚乱
庶民の智慧、国家統制出し抜く
中国式パロディ、社会変革も

 
世界一の携帯電話大国となった中国では、盗作版の携帯電話を意味する「山寨機(さんさいき)」が人気を集めている。盗作版は違法だが、本物を巧妙にコピーしつつ改良して独自の世界を築いていく手法は、携帯電話以外でも政府の圧政取り締まりから対抗する中国庶民の独自文化ともいえる「山寨文化」として多方面に増殖しつつあり、中国当局は反政府的な抗議に転化しないよう警戒を強めている。(深川耕治、写真も=09年4月6日記)


ネット社会に新たな広がり
取締強化でもモグラたたき 効果なし
政府は反体制恐れ規制へ動く


広東省深セン(土ヘンに川)のハイテクフェアで日本製携帯電話の付属デジタルカメラを試用する中国人男性=深川耕治撮影
 「山寨(さんさい)」とは反政府ゲリラや山賊が山中に築いて立てこもった要塞や砦を意味する。改革開放路線が進み、地下工場が集中する広東省で違法コピー商品が摘発を免れながら増殖していく動きを「山寨」と表現するようになった。まるで新中国が毛沢東率いる中国共産党によって「山寨」を中心にゲリラ活動を展開して建国し、今年10月で60周年を迎えることともイメージが重なる。

 最近使われる「山寨」という流行語の発祥は、山賊ゲリラ的な手法を使い、広東省を中心に違法コピー製品が氾濫し、海外有名ブランドの携帯電話の盗作版コピー商品が「山寨手機(携帯電話)」と呼ばれるようになったことがきっかけだ。旧態依然の地下工場で製造する「安かろう、悪かろう」のコピー商品ではなく、元々の製品にはない独自機能、たとえば、携帯電話であれば奇抜なデザインやデジカメ用望遠レンズ、イヤホンなしで音楽やラジオを聴くことが出来るスピーカーなどを付加価値として販売することで大ヒットした。山寨は今では有名な何かに似ていても少々違って面白いものという意味で使われ始め、若者に浸透した。

 広東省深セン(土ヘンに川)の地下鉄・華強路駅周辺。ここは深センハイテクフェアなどで新製品が発売されて一ヶ月も経たないうちに山寨機が販売される、山寨機販売の一大拠点となっている日本で言えば秋葉原のような電器店街だ。アップル社の「iPhone(アイ・フォン)」にそっくりのデザインをした「hiPhone(ハイ・フォン)」や日本のソニー、パナソニック、サンヨー、エリクソン(スウェーデン)、ノキア(フィンランド)などの製品を模倣した携帯電話が店頭で堂々と売られている。

中国で氾濫する偽造ゲーム機のXボックスや違法コピーされて出回る偽造日本製ゲームソフト、日本のドラマDVD、シェーバー、アイロン類=深川耕治撮影
 価格が正規ブランド品の半額から4分の1程度の安値で機能は本物とほとんど変わらないことが消費者には魅力だ。政府から見れば、販売経路で当然支払うべき増値税(17%の消費税)を支払わず、広告宣伝費や莫大な研究開発費もいらないことで大幅な安値販売ができるため、外資系携帯電話メーカーにとっては徹底取り締まりを求めたいが、次から次へと新たな山寨機が登場することで対策はおぼつかない。

中国大手ポータルサイト「百度」とグーグル、ヤフーを合わせてパロディ化した検索サイト「BaiGooHoo」
 このほか、ネット上では中国大手ポータルサイト「百度」とグーグル、ヤフーを合わせてパロディ化した検索サイト「BaiGooHoo」が作成されたり、香港の人気俳優・劉徳華(アンディ・ラウ)や中国歌手・周傑倫(ジェイ・チョウ)など芸能人のそっくりさん(山寨版芸能人)が人気急上昇となった。今年1月には中国中央テレビの年越し番組「春節聯歓晩会」の「山寨版」イベントがウェブ上などで放送される動きだったが、当局の取り締まりを受けて惨憺(たん)たる結果に終わった。

中国中央テレビの年越し番組「春節聯歓晩会」をパロディ化した山寨春晩ニュース番組の女性キャスターは中国中央テレビの李瑞英キャスターそっくりさん(右)=中国内のウェブサイトより
 今年に入り、山寨文化は、ネット上で民衆の智慧を駆使した反権力パロディとなりつつある。その代表格がユーチューブで紹介された「児童合唱『草泥馬の歌』」だ。草泥馬(ツァオニーマー=中国語の発音表現が下品なスラング《ファック・ユア・マザーと同義》と一致)とは中国のネットユーザーが作った造語で架空の動物としているが、南米の動物アルパカ(中国語名は羊駝)と同一視されるように制作している。

 ユーチューブ動画は児童らが草泥馬の歌を歌い、中国中央テレビの動物紹介番組を模してアルパカらしい動物の暮らしぶりが紹介されているのみ。歌詞は、平和な草原で草泥馬が自由奔放に暮らしている中、突然、邪悪な河蟹(かわがに)が草を食べ尽くそうと攻めてきて草泥馬が団結して河蟹を排除し、打ち負かすという内容だ。

香港大学で「中国社会は孫悟空社会に変質する」と記念講演する香港誌「亜洲週刊」の邱立本編集長
 草泥馬は中国の民衆、河蟹(ハーシエ)は和諧(ハーシエ=和諧社会)を皮肉った中国当局を暗示し、中国語の発音であまりに下世話なスラングと同じ発音の「草泥馬」を児童らが繰り返し歌っているだけに反権力的パロディそのものということになる。この動画がアニメバージョンになり、河蟹がアニメ化されて登場するものまで登場し、アクセスが殺到(原作は140万件超、アニメ版は25万件超)。その後、当局はこの動画は中国内では閲覧できない状況になった。

 中国内でネット検索する場合、「六四(天安門事件を意味)」「西蔵(チベット)」、「民主化」などを入力しても中国当局に不都合な内容は検索ですべて外されるため、中国庶民の間では似ている発音の造語を作り、パロディ的に政府批判をする新手法が生まれつつある。これは新たな山寨文化とも言える内容だが、中国当局はこの動向を強く警戒し、ネット検閲を強化しているが、造語が次から次へと生まれる状況は模倣品対策同様、モグラたたき状態に近く、山寨のゲリラ的手法は頭痛の種だ。

 香港誌「亜洲週刊」の邱立本編集長は香港大学での記念講演で山寨文化の動向について「現代の中国は孫悟空社会に変質している。一つ一つの細胞が孫悟空のように細胞分裂して千変万化し、世界最大となる2億2000万人のネットユーザーを有していることは孫悟空社会による変革の原動力に成り得る」と話している。


 




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