台湾企画記事
2004年10月10日記

92年会談基礎に両岸対話を 台湾総統
双十節祝賀大会で重大演説行う
超党派の平和発展委新設へ
中台相互軍事規制も提案
 清朝中国を崩壊に導いた辛亥革命(一九一一)九十三周年を祝う双十節の十日、台湾の陳水扁総統は台北市内の総統府前で国慶記念祝賀大会の祝辞を述べ、一九九二年十月に両岸(中台)当局者が香港で会談して「一つの中国」について各自解釈することで原則合意した「九二年香港会談」を基礎として両岸対話の回復を推進、両岸(中台)軍事相互規制の具体策を提示し、野党各党を含めた両岸平和発展委員会を新設して対中対話のコンセンサス作りを超党派的に打ち出すことを明らかにした。

 陳総統は「とても小さな台湾が国際舞台で実力をつけるには国家発展上の停滞は許されない。中華民国が台湾であり、台湾が中華民国であることはだれも否定できない」と述べた上で、政権二期目に入っても対話もなく冷え切ったままの両岸関係の改善を強調。

 陳総統は中台対話の基礎を「九二年香港会談」と具体的に初めて明示し、同会談内容が「完全無欠な内容ではないが受け入れ可能」として「一つの中国」に対するぎりぎりの妥協点との立場を初表明。その基礎の上で懸念される両岸の軍事増強による戦争勃発脅威の高まりを相互武力規制策の新提案を通して抑制しようと呼びかけた。

 新提案の前提として中台双方が敵対状態を終えんさせ、対話による交流を推進する関係の変化が必要で、その基礎が「九二年香港会談」としている。その基礎の上で相互軍事規制を行って両岸軍備政策を検討し、共同協議による「海峡行為準則」を打ち出し、台湾海峡の永久平和の具体的保障としたいとの平和プロセスも明らかにした。

 とくに行政部門で具体的に検討されている中台チャーター便構想に関してはできるだけ速やかな協議推進を求め、三通(中台間の通信、通商、通航の直接往来)実現の第一歩にしたいとしている。

 陳総統はまた、十二月十一日投票の立法委員(国会議員に相当、定数二二五)選挙以降、最大の誠意をもって野党各党指導者と協力し、「両岸和平発展委員会」の新設準備を進め、憲政改革や重大国政議題について超党派組織で協力する方針も打ち出した。

 一方、最大野党・中国国民党の連戦主席は同日、台中県政府前広場で国旗掲揚式典に参加し、「民進党政権は総統選訴訟や真相結果が明らかになる前に正当な政府を装い、台湾を一党独裁、一人独裁に向かわせている。九二年香港会談を両岸対話の基礎とするという陳総統の主張は一国二制度を受け入れる発言であり、われわれは一国二制度に反対する」と述べ、「三民主義万歳」、「中華民国万歳」などのシュプレヒコールをあげた。

 また、第二野党・親民党の宋楚瑜主席は同日、台湾南部の高雄市で国旗掲揚式に参加し、「陳総統は心理的に中華民国を消滅させ、巨額の国防予算を組んで平和投資にすると言っているが、中華民国こそ台湾最良の安全保険であり、中華民国が存在しなければ新たな国防予算で台湾の安全保障は不十分」と酷評した。(04年10月10日、台北で、深川耕治、写真も)