台湾関連情報  2008年5月5日記  最新中国株情報 WINTRADE


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大陸系不動産企業が投資準備 台湾
景気浮揚を期待、台湾視察を歓迎 国民党首長

投資環境調べて巨額投資へ
中国大陸投資のリスク大 民進党は反対

 3月の台湾総統選挙以降、初めて中国の大手不動産企業トップら視察団が4月21日から4日間、投資環境を調べるため台湾入りし、優良物件がある地方都市を見て回った。馬英九新政権が5月20日に発足すれば、中台経済交流が具体的に促進されることを見越し、中国大陸の巨額投資マネーが台湾を席巻し始めそうだ。(深川耕治、写真も=08年5月5日記)


台湾新幹線の最終着駅である左営駅(高雄)周辺。周辺の不動産価格も上がっている
 視察団に参加した企業トップ9人は「合わせて総資産額が1000億元(1兆5000億円)近い」(台湾の不動産関係者)で、5月中には香港や福建省の不動産企業視察団が台湾入りし、投資チャンスを現地確認する視察ラッシュの時期に来ている。

 視察団を取り仕切る団長は中城楽天房の劉長楽総裁(フェニックステレビCEO)で広州富力の李思廉理事長、SOHO中国の潘石屹社長、雅居楽の陳卓賢総裁など大手不動産企業トップが顔をそろえた。

 視察場所は台湾新幹線を利用し、台北市、桃園市、台中市、高雄市、台南市など台湾全土を見通す予定だったが、反発を強める民進党首長の高雄県や高雄市では視察出迎えをキャンセルされるトラブルにも見舞われた。李思廉氏は視察後、「観光と住宅は一体化した総合投資。三通(中台の交通、通商、通信の直接往来)解禁後、台湾は景気が好転し、不動産市場も透明性を高めることで地方都市でも十分なビジネスチャンスがある」と意欲満々だ。

 馬次期政権は中台関係改善のシンボルとなる1日3000人を上限とする中国人観光客解禁と中台直行チャーター便の週末運航定期化を7月から実施する。これを皮切りに三通解禁、中国からの投資拡大が進むと見られ、馬氏も「台湾を訪問する中国観光客は年間300万人を超え、1000億台湾ドル(約3300億円)の商機につながる」と皮算用している。

 台湾の高級不動産も2008年第1四半期の成約率が昨年第4四半期に比べて34%増。馬英九政権誕生が決まり、中国からの直接投資が緩和される流れとなり、さらに不動産価格が高騰すると見られている。

 中国企業の不動産投資の動きに台湾内でも一部で根強い警戒感があると見た視察団長の劉長楽氏は「われわれは温州商人のような手荒な投資家ではない。都市発展に関心があるのであって焦点は住宅ではなく観光に関連する項目」と即断即決による巨額の不動産投資を早急にスタートさせるわけではないことを強調した。

 民進党内からは「不動産業者だけが儲かり、一般住民は苦しいままだ」(潘孟安副幹事長)、「かつて中国大陸の巨額投資で香港の不動産価格が急騰し、若者は不動産購入を手控えるようになってしまった。大量の投資資金が大陸から台湾に流入すれば、台湾社会は空洞化と格差拡大が進む」(●醒哲立法委員)など厳しい批判が相次いだ。

 台湾行政院(内閣)は3月5日、対中投資規制を緩和する方針を発表。台湾企業の対中投資に関する規制を現行の「個別企業純資産の40%以内」から「連結対象企業を含めた純資産の40%以内」にするなど投資規制を緩和し、軌道修正した。馬次期総統や経済部長(経産相)就任が決まった尹啓銘元経済部次長はこの規制を優先的に緩和する意向で大陸進出の台湾企業にとっては軸足を大陸に移すメリットも多いように見える。

台湾新幹線の最終着駅である左営駅(高雄)。周辺の不動産価格も上がっている
 その一方で、中国に進出している台湾企業(台商)は今年1月以降、中国の労働契約法改正や人民元高、原材料費高騰、廉価な労働力不足、加工貿易政策の規制強化などで締め出しの危機に直面している。

 1月1日に施行された労働契約法の改正は中国の出稼ぎ労働者(民工)が都市戸籍がないとの理由で不当に差別的な労働待遇を強いられてきたことへの改善を目的としたもので、貧富の格差拡大による低所得者層の不満増大を封じる国策だ。労使間で事実上の「終身雇用」契約を結ぶよう義務づけられるため、民工を正規雇用契約に準拠せず低賃金採用していた台湾、香港、韓国などの進出企業が広東省や福建省、山東省などで次々と閉鎖や撤退に追い込まれている。

 これまで外資企業の法人税率は15%の優遇税率だったが、今年1月から中国企業と同じ25%に統一され、外資優遇が廃止されたことによる大陸投資の魅力喪失も大きい。

 深セン(土ヘンに川)台湾同胞投資企業協会の黄明智会長は「春節(旧正月)後、深セン(土ヘンに川)に進出した台湾企業で夜逃げ同然の工場閉鎖、広東省外への移転が続々と発生している。加工貿易規定が改定されたプラスチック、金属、紡績、木製品の業者の打撃は予想以上に大きい」と話す。

 台湾誌「台商」の調査結果によると、広東省の珠江デルタ地帯に進出している約一万社の台湾企業のうち、労働法の改正施行以降、「人件費などのコスト高で工場閉鎖か縮小を断行せざるを得ない」と答えた企業は2割。73%が「加工貿易用の原材料高騰で工場移転や人員削減する」と答え、「大陸進出の加工貿易を営む台湾企業はビジネスモデルの転換で生き残りの道を探るしかない」(台湾誌「台商」の李樹松社長)と指摘する。

 国民党副主席で台湾の対中民間窓口機関・海峡交流基金会理事長に就任する予定の江丙坤氏は4月24日から28日まで訪中。上海、江蘇省昆山、福建省アモイ、広東省深セン(土ヘンに川)、広東省東莞など中国各地に進出している台商(台湾企業家)と交流し、今月に再度訪中し、中台対話の再開準備を進めているが、台商の待遇改善がどこまで進か、中台対話の正式再開まで暗中模索が続く。

●=サンズイに余


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