台湾関連情報  2008年3月27日記  最新中国株情報 WINTRADE


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日米との連携強化で対中融和へ−馬英九・台湾次期総統

 二十二日に投開票された台湾総統選挙は、対中融和路線の最大野党・国民党の馬英九・前党主席(57)が二百二十一万票余の大差で独立志向が強い与党・民進党の謝長廷元行政院長(首相)(61)を破って大勝、初当選した。五月二十日の正式就任(任期四年)までに日米訪問に意欲を示しており、両国との関係強化を通して対中融和を有利に進めようとする外交戦略がどこまで奏功するか、注目される。(台北・深川耕治、写真も=08年3月27日記)

呉伯雄・国民党主席−民進党対策で指導力発揮

経済振興、外交力回復が当面の課題に

picture 23日、記者会見後に手のひらを合わせて正副総統ポストへ意欲満々の馬英九・前国民党主席(左)と蕭万長氏
 今回、馬氏が大勝した原因は、八年間の陳水扁政権下での汚職や経済失政に対して従来の国民党支持者だけでなく、景気低迷を実感する低所得者層や無党派中間層、民進党支持者だった一部の人々の強い反発をうまく吸収できたことだ。加えて民進党の国民党攻撃に左右されないよう予防線を張ったことが有効だった。

 「直前の非公開世論調査を見て、大ハプニングさえなければ馬氏が百万票以上の差を付けて勝つと予想していた。ことごとく先手を打って封じたので、民進党が最後は党本部爆破か、謝氏が睡眠薬で意識朦朧(もうろう)としてテロ未遂に見せ掛ける行動を取るのではないか、と夜も眠れないほど憂慮していた」と国民党選対関係者は四年前の総統銃撃事件を想起しながら語る。

 台北市長時代の経費流用疑惑や米国のグリーンカード取得疑惑、チベット問題での中国脅威論、馬氏家族への批判攻撃など、民進党側が大衆心理をあおる動きを事前にキャッチし、国民党支持者らに知らせ、迅速に対応策を取った呉伯雄党主席の指導力は高く評価されている。

 客家人である呉氏は外省人(戦後、台湾に移り住んだ人々や子孫)、本省人(戦前から台湾に住む人々や子孫)の選挙心理に精通し、一月の立法委員(国会議員)選でも裏方に徹し野党・親民党との協力関係を築いた。

 馬氏同様党内非主流派の経済通の蕭万長元行政院長を副総統候補に擁立したのも、党内で力を増す本土派の王金平立法院長(党副主席)や連戦名誉主席ら党長老の発言力を意識した呉主席ら馬氏側近の手腕によるもの。「今後も黒子に徹する」と話す呉主席が馬氏を支える党内体制は当面続くとみられる。

 香港生まれの外省人である馬氏は、台北市長時代からの側近である金溥聰・前台北副市長のアドバイスを受け入れ、中南部での一般家庭へのロングステイや台湾語をマスターして演説で多用し、中南部の庶民の不信感を和らげたことも大きい。

 中南部で伝統的に民進党の地盤だった嘉義市、台南市、高雄市でいずれも国民党の得票率が勝り、南部の支持基盤が盤石だと見られていた民進党の弱体化が目立ったのも、馬氏の地道な中南部での活動の積み重ねにある。

 五月二十日、総統に正式就任(任期四年)する馬氏にとって、二十三日の記者会見で強調した通り、緊急の課題は就任前までに日米訪問を実現し、外交関係を強化することにある。

 馬氏の当選確定後、ブッシュ米大統領は馬氏の総統選勝利を祝賀する声明を出し、「台湾はアジアの民主主義の標識。選挙は中国と台湾が平和的に違いを克服していく新たなチャンスを提供するものだ」と述べて中台間の緊張緩和に向けて対話に乗り出すよう促した。二〇〇〇年の総統選でもクリントン米大統領(当時)が陳水扁氏の当選を祝う声明を出しているが、〇四年の選挙ではホワイトハウスの報道官声明のみに留まっていた。

 二十四日、国民党の呉伯雄主席はブッシュ大統領の甥(おい)にあたるジョージ・プレスコット・ブッシュ氏ら米国からの総統選視察団と会談し、ブッシュ大統領が馬氏当選の祝電を送ったことに対して「米国は四年前の対応と違う」と手応えを感じていることを伝えた。同日、事実上の駐台湾米国大使館である米国在台協会(AIT)台北事務所のスティーブン・ヤング所長は馬氏が総統就任前までの訪米を望んでいることに対して「今後、米台関係は一歩一歩改善するだろう。訪米実現可否は米国政府が決定する」と話している。

 しかし、米国は一九七九年、中国と国交樹立後、安全保障上から台湾に武器供与できるとする台湾関係法を定めたものの、「一つの中国」の原則について現状を変更するいかなる動きにも反対する立場は変わらない。AIT関係者は「米国の原則的態度は不変なので、馬氏の訪米自体も実現可能か不透明。実現しても中国の反発で極めて限定的なものになる」と過度な期待感を戒める。

 対日関係も馬氏は総統就任前までの訪日を含め、関係強化を求めている。尖閣諸島(中国名・魚釣島)をめぐり馬氏は以前から台湾領を強く主張する立場を取ってきた。しかし「反日」とみられることに対しては「私を反日と批判するのは今世紀最大の誤解」とし、「どの国でも領土紛争は存在するが、外交政策とは別。日米安全保障条約は重要だ」と日米との関係強化に努める考えを明らかにした。

 馬氏の選挙公約、当選後の会見内容を見ると、日米との関係強化を通して外交空間を拡大し、中国に対しては経済開放は推進する方針だ。一方で台湾の政治的立場は「現状維持」、就任期間中、中国との統一論議はしないとして急進的な統一志向を否定している。課題は外交力の回復と経済振興の具体的成果だ。

 一方、敗北した謝長廷氏は二十六日、党主席を辞任。後任の党主席には蘇貞昌前行政院長(元主席)や羅文嘉・元立法委員、游錫●(方二つの下に土)前主席などを推す声が出ているが、いずれも大敗後の党内を立て直す指導力には疑問が残り、不協和音が出ている。

 「敗因は陳水扁総統が第一の敵は台湾団結連盟(台連)、第二の敵は国民党と見たことで与党連合が分裂・崩壊したことにある。謝氏の経済振興策が国民党と似た対中融和路線を取ったことも敗因の一つだ」と台連周辺からは民進党への根深い不信感が噴出。民進党が経済政策を含め、従来の路線から大きく転換しない限り、中間層の再獲得は進みそうにない。

   台湾総統選の各候補得票数(2008年3月22日)
馬英九・蕭万長ペア(国民党) 7658724票(58.45%)
謝長廷・蘇貞昌ペア(民進党) 5445239票(41.55%)
投票率76.33%(前回比3.85ポイント減)
   国連加盟の住民投票結果(2008年3月22日)
台湾名での国連加盟の是非 投票率35.82% 賛成94.01%
中華民国の国連復帰の是非 投票率35.74% 賛成82.27%
*投票率が50%を超えず、いずれも不成立
(中央選管発表)


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