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2009年6月4日記


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香港の追悼集会に15万人参加 天安門事件20周年
「民主の灯火消すな」 返還後、最大規模に


 
学生らの民主化運動を中国軍が北京の天安門広場で武力鎮圧した天安門事件から20周年を迎えた4日夕、香港では民主化団体・支連会(香港市民支援愛国民主運動連合会=司徒華主席)が主催する恒例の追悼キャンドル集会が始まった(写真左下)。主催者発表によると昨年(4万8000人)の3倍以上に達する15万人が参加(香港警察発表は推計6万2800人)。すでに開始時間の午後8時(日本時間同9時)の段階で9万人を超える参加者が香港島コーズウェイベイにあるビクトリア公園に続々と集まり、追悼集会の活気は一分間の黙祷と民主の灯火の点火で最高潮を達した。(深川耕治=09年6月4日記)

6月3日、天安門事件の再評価を求めて64時間のハンガーストライキを決行する香港大学の学生会代表
 今年のスローガンは「ビクトリア公園のキャンドルは中国民主の灯台」だ。追悼集会では事件直前に学生の民主化運動に理解を示して解任させられた故・趙紫陽元総書記の生前の映像や発言内容を放映。同事件で息子を殺害された母親たちで立ち上げた「天安門母親運動」発起人である丁子霖元中国人民大学副教授が講話した録音テープを流し、同事件当時の学生指導者の一人だった熊●(森の木を火に)氏が講話した。香港への入境を拒否された当時の学生指導者、項小吉氏は米国へ送還され、参加はかなわなかった。

 壇上に立った熊氏は「好運にも香港の土を踏み、追悼キャンドルの灯火を見ると、中国の民主の前途に自信が満ちあふれる。皆様が二十周年の追悼集会に参加されることを希望します」と訴えた。支連会の張文光常任委員も「天安門事件は中央政府が直視すべき出来事であり、香港は唯一、その主張ができる場所」と述べ、参加者らは同集会で犠牲者追悼を意味する黒や白のTシャツ姿となり、20歳代から30代を中心に若い世代主流に集まった参加者らは拍手で応えていた。

 参加者15万人は香港が中国に返還後、同集会では2004年の8万2000人を超え、最大規模。事件後の翌年から始まった同集会の中でも1990年の大会(15万人参加)と同じく最多となった
(下表統計)5月31日に行われた同事件再評価を中国政府に求める抗議デモ行進には「17年来最高の8000人」(主催者発表、香港警察発表は4700人)が参加している。

 今回の追悼集会が過去最大規模となった理由の一つは、香港トップの曽蔭権行政長官が5月の立法会(議会)で同事件について「客観的に評価すべき側面もある。この見方は香港人を代表する意見だ」という親中迎合発言を行い、「行政長官でありながら、天安門事件をきっぱり武力弾圧と言えず、事件を肯定化するのは情けない」と香港市民の反発を買っていた背景がある。中国の民主化という政治問題に敏感な香港人が同事件20周年を節目に事件自体を風化させたくない思いとメッセージ性がにじむ追悼集会となった。