話題の人登場 2013年7月13日記(深川耕治)

   



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与党・国民党から党籍をはく奪された台湾の王金平立法院長

 最大野党・民進党の柯建銘立法委員(国会議員)が6月、会計法違反などの罪に問われた事件をめぐり、曽勇夫法務部長(法相=当時)らに検察側の上訴断念を違法に働きかけた疑惑があるとして、9月6日、最高検の特別偵査組(特捜部)が盗聴を使った捜査結果を発表し、9月11日、与党・国民党の会議で党籍はく奪処分を受けた。

 本人は国民党比例代表の立法委員であるため、党籍を失えば自動的に議席を失い、院長を失職してしまう。党の党籍はく奪処分を受け、地位保全の仮処分を申請している。

 台湾大学卒の二女・王声淳さんがマレーシアで楊忠礼グループ幹部と結婚するため、結婚式で訪れていた同国滞在中に起こった。9月10日夜に急きょ帰台し、疑惑を否定して「特捜部の捜査は越権違法行為。辞任や離党の意思がない」と述べている。

 同問題の背景には党内派閥抗争がある。2005年の党主席選で本人が馬英九氏に惨敗して以来、台湾南部で支持層の厚い本省人である王氏と外省人である馬氏との確執があり、李登輝元総統とも良好な関係を保つ王氏は対中依存を強める馬氏への警戒感を抱いていた。原発建設継続、中国との貿易協定問題では議会で膠着状態が続き、馬氏の強行姿勢に反発していたことが一因とされる。

 国民党主席を兼務する馬総統は「失望した。立法院長に不適任」と述べ、14年間、立法院長を務めてきた王氏の政治生命が一気に失われる可能性が高まっている。その一方、不意打ち的な党籍はく奪処分を行った馬総統の支持率は、第二期政権発足以来、最低の11%。10万人規模の反対デモも計画されており、党内外で王氏に同情的な声が広がっている。

 台湾南部の高雄市出身で台湾師範大数学系卒。教員を経て1976年から立法委員、1993年に立法院副院長(国会副議長)に就任し、同年から超党派組織の「中日国会議員聯誼会」会長を務め、1999年から立法院長。陳彩蓮夫人との間に一男二女。72歳。



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