中国企画記事 特選

2004年11月16日記

中国対香港のサッカー試合で厳戒 中国広州市
16日夜の試合前に香港チームを保護
19年前の暴動の悪夢防止へ


 サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会アジア一次予選の中国対香港が11月17日夜、中国広東省広州市内の天河スタジアム(収容人数6万人)(写真右=深川耕治撮影)で行われるのを前に、中国公安当局は19年前に起こったW杯予選・中国対香港の試合後の暴動事件「5・19事件」を再発防止するため、厳戒態勢に入った。

  対外的なチケット四万八千枚はすでに完売され、内外の取材記者数は四百三十人で史上最多。世界ランク四十九位の中国チームと百三十九位の香港チームの戦いだが、中国チームのサポーターは今大会で中国チームが香港に勝利して予選突破を果たしてほしいとの熱狂ぶりは日に日にエスカレートしている。

一九八五年五月十九日、第十三回W杯アジア地区予選で中国対香港の試合が北京工人スタジアムで行われ、中国が一対二で香港に敗れたため、試合直後に中国サポーターらがスタジアムの周辺市街地で外国人の車輌など二十五台を破損させ、四十人以上の警官が負傷。百二十七人が公安当局に拘束された。同事件は「5・19事件」と称され、今年八月のサッカーアジア杯の際も、決勝戦の中国対日本戦で中国チームが敗れ、試合が行われた北京工人スタジアム周辺で暴動が起き、反日感情の形をした反政府感情が一気に火を噴いた。

 中国広東省では最近になって企業の社員への給与未払いや不当労働、地方政府の汚職に対する不満が高まっており、今大会で中国チームが負けるような場合、一気に不満がサッカーの試合結果に向けられそうな空気もある。

 不穏な状況を憂慮し、香港チームは宿泊先の広州市内のホテル十階から出入りを厳しく規制され、保安要員が配備されている。スタジアム周辺には約二十人の警官が警戒行動を取っており、暴動防止へ神経をとがらせている。(04年11月16日記、深川耕治)