話題の人登場 2009年9月17日記(深川耕治)  最新中国株情報 WINTRADE

   



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自著「真実の朝鮮」が中国発禁後、香港で「解密朝鮮」を出版した作家・葉永烈さん

 中国ではドキュメンタリーを中心に健筆を振るう人気のベテラン作家。11歳の時、浙南日報(旧・温州日報)に抗米援朝(反米北朝鮮支援)の色彩が濃い作品を投稿して掲載され、以来、北朝鮮の動向に関心を寄せてきた。

 06年7月、北朝鮮への現地取材を正式申請したが北朝鮮側から婉曲拒否され、やむなく、夫人と観光ビザで北朝鮮へ入国。ドキュメンタリー作家の目線で2週間にわたって北朝鮮をウォッチし、大量の写真撮影に成功して「真実の(北)朝鮮」が昨年3月に発刊された。

 当時、北京の出版社では「葉永烈の世界観」と題してベトナム、米国などに関する8種類の本を出版。中国内で内容を大幅に検閲削除されて出版した「真実の朝鮮」はその一つだ。削除された内容には00年に中国が北京五輪の申請をした際、投票時に北朝鮮が反対票を入れた事情、朝鮮戦争が勃発した経緯や中国がマルクス主義を修正した弱腰を批判した内容、金正日総書記が列車で訪中した後、帰国時に列車周辺で爆発事件が起こった内部事情などが含まれている。

 出版後、中国内の大手ポータルサイトで削除された内容を含めて転載紹介され、新浪網では3日間で80万アクセス超、捜弧網では300万アクセスを超える大反響となった。その後、北京人民ラジオで全文が放送されたが、出版からわずか3ヶ月後の08年7月11日、北朝鮮外務省からの抗議で同書は中国内で発禁処分になった。

 今年7月、上海テレビの番組「風言鋒語」で自著「真実の朝鮮」に添った映像ドキュメンタリー「直撃朝鮮」が5部構成で放送され、北朝鮮の現状を直視した内容に視聴者からは大反響が起こった。北朝鮮外務省は再び中国政府に正式抗議し、番組は2週間中止。関連内容の放送自体が禁止される事態に陥った。

 観光ビザで北朝鮮を2週間にわたって滞在した際、約二千枚の写真を撮影、香港版の「解密(北)朝鮮」では多彩な現地写真を大量に掲載し、読者に北朝鮮の現状をより直感的に理解させる説得力がある。

 「現在の北朝鮮は過去の中国そっくり。そんな観点が本著の概要と思ってほしい」と話す。現在も残る社会主義国家のうち、キューバ以外は訪問。キューバに関するドキュメンタリー本を書いて社会主義がどこに行くのかを綴るのが本人の当面の悲願だ。

 1940年、浙江省温州生まれ。11歳で自作の詩を発表し、北京大学入学後、19歳で処女作を出版。大学生時代の著作「小霊通漫遊の未来」などで名を馳せ、63年、北京大学卒業後、文学賞受賞は80回を超える。89年に米国の紳士録(マーキーズ・フーズフー)にも掲載され、98年、香港の中華文学芸術家金龍賞(最優秀伝記文学家賞)を受賞。02年、第13回中国図書賞、05年、中国当代優秀伝記文学作家賞を受賞。上海作家協会一級作家。


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