話題の人登場 2011年3月9日記(深川耕治)

   



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ブログ開設で親民路線を強調する中国新彊ウイグル自治区トップ、張春賢党委書記

 3月5日から北京で開かれている全国人民代表大会(全人代=国会)の期間に合わせ、3月8日に記者会見し、中東情勢が中国の少数民族問題に飛び火することを憂慮する当局の本音はどうか、言動に注目が集まっている。

 100人以上の記者を囲む会見では「新疆の社会秩序は安定している。しかし、(政権崩壊した)中東では市民生活が重視されておらず、われわれにも警告を与えている」と語り、トイレに行く時間も記者がついてくる人気ぶり。

 今月に入り、中国の大手ポータルサイト「騰訊」に自分の簡易ブログ(微博=マイクロブログ)を開設。党幹部でブログを開設しているケースは少数派で、閣僚級に相当する地方トップの本人は最高位。激務のため「夜、閲覧者のコメントを読み通す。書くテーマは自分で考え、できるだけ正直に親しみを持って書き、深夜2時ぐらいまでかかる」と話す。地元の民衆の声を吸い上げようとするメッセージ性の強い親民路線の手段ともなり、メディア側も高評価している。

 香港メディアは「最も開放的な(考え方をする)党委書記」と評し、湖南省トップ時代は「親民書記」「ネット書記」とも言われたほど。非漢族化に厳しい制限と漢語普通語教育の推進をして解任された前任者、「新彊王」とまで呼ばれる王楽泉氏とは対照的だ。

 区都ウルムチでは2009年7月、約200人のウイグル族が死亡する大規模な民族暴動が発生し、漢族とウイグル族の対立が深刻化。先月27日、ウルムチでの民主化要求集会(中国ジャスミン革命集会)開催の呼びかけに厳戒態勢を取ったことについては「警察による社会管理は正常の範囲内」と平静を装う。

 本人の開明的な考え方と温家宝首相のような親民路線は海外や内外メディアからの評価を得るが、新彊ウイグル自治区での少数民族対策の強化やネット監視、分離独立への徹底した対策強化は当局の厳しい対処と落差があり、どこまでネットを通した庶民の声を聞き入れるか、本人の今後の言動がさらに注目されている。

 1953年、河南省禹州市出身。1980年、東北重型機械学院を卒業して管理学修士を取得。1991年、監査部駐機電部監査局副局長となり、1995年、雲南省省長助理、1997年には交通省党組書記、副部長を経て2002年に交通相に就任。2005年には湖南省党委書記となり、2010年4月、新彊ウイグル自治区党委書記となり、現職。2005年に中国中央テレビのメインニュース番組「新聞聯播」担当アナウンサー、李修平さんと結婚。記者たちから李修平さんのことに触れられると、「彼女は大学院で博士号を取るために勉強している。(政治的に)敏感な問題について他に質問はまだあるか」と尋ね返すジョークぶりが、内外記者たちの評価をさらに高めている。57歳。




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