話題の人登場 2013年8月23日記(深川耕治)

   



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「朱鎔基上海講話実録」を出版した朱鎔基元中国首相

 政界を完全引退して10年。今なお国内での人気は健在で、現役時代から本人にまつわる本が出版される度に「鉄面総理」の異名を持つこの人の本は注目され続けている。

 今月に入って人民出版社と上海人民出版社が合同出版した「朱鎔基上海講話実録」は北京、上海、広州、長沙で同時発行され、ベストセラーになっている。引退後に出版された「朱鎔基答記者問」「朱鎔基講話実録」に続く三冊目だ。

 内容は朱氏が上海市で党委副書記、市長、党委書記として辣腕を振るった1987年12月から1991年4月までの期間、改革のために行った演説、手紙、公式文書を当時の写真を交えて詳細に記した30万字に及ぶ著作で、すべて朱氏本人が編集審査したもの。

 「党幹部には刑罰が適応されないことに、人民は非常に強い不満を抱いている」「改革なければ失脚せよ」「絵空事を言っていては国の進路を誤る」など党幹部の腐敗を強く戒める発言内容が論議を呼んでいる。

 とくに、天安門事件直後の1989年6月8日、「上海の動乱は北京と違う。軍隊を動かすことはないし、508万人の労働者がいる上海を軍が力づくで管轄できるか」と語っている部分が印象的だ。

 引退後の露出は極めて少ないが、2011年4月、母校の清華大学を訪れた際、「中国中央テレビの夕方のニュースは必ず見ている。どんなデタラメを報じているか見届けるためだ」と語っており、“朱鎔基節”は健在だ。

 1928年、湖南省長沙生まれ。1947年、清華大学入学後、学生会主席を務め、49年に入党。大学卒業後、東北人民政府工業部に配属され、58年、毛沢東の大躍進政策を批判し、失脚。文化大革命で粛正されるが、1978年、党籍回復。1984年、清華大学経済管理学部長、1987年には上海市党委副書記となり、1988年、上海市長に就任。1991年、副首相となり、1992年、政治局常務委員に就任。1998年、首相就任、2003年に退任し、政界引退。労安夫人との間に一男一女。


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